2014年10月03日

スコットランド女王の処刑と暗号強度1


 先頃、イギリスでのスコットランド独立騒ぎが世界の注目を集め、スコットランドの独立を決める投票日近くからマスコミが連日報道していました。その報道内容は、どのマスメディアも驚くほどワンパターン。まるで、言論統制をされていて、これ以外報道してはいけないという暗黙のルールがあるようでした。

 賛成派と反対派で出てくるのは、スコットランド出身のハリー・ポッターの著者J・K・ローリング(反対派)とイギリスのスパイ007で有名な映画俳優ショーン・コネリー(賛成派)だけ。

 イングランドとスコットランドは古くから争っていました。16世紀後半、それぞれの国に女王がいました。イングランドにはエリザベスⅠ世、そして、スコットランドには、エリザベスのいとこで悲劇の女王と呼ばれるメアリー・スチュアート。なぜ、悲劇の女王と呼ばれるのか。それは、エリザベスⅠ世によってメアリーは捕らえられ、18年もの間幽閉されてた末、斬首されてしまいます。何とも恐ろしい国です。

 今回のスコットランド騒動でイギリス王室がほとんど出てきません。現在のエリザベスⅡ世は、もちろん、エリザベスⅠ世の娘ではありません。エリザベスⅠ世が生きた16世紀から500年近くの隔たりがあります。

 もし、エリザベスⅡ世が何かコメントをすれば、どんなコメントであれ、スコットランド独立派からの格好の攻撃材料にされてしまいます。これをうっかり外部に話したキャメロン首相の言動が問題として取りあげられていましたが、日本の報道を見ても、何のことか分かりません。記事を書いている人もなぜ外国メディアが注目しているのか、その意味が理解できないのだと思います。だから、日本人視聴者や読者が分からない。

 イギリスに限らずヨーロッパ諸国は、その時代の有力者が「王」として君臨し、その地位を守るために周辺の国々と血縁関係で結ばれています。日本の戦国時代と同じです。有力者に自分の娘を嫁がせ、子供が生まれることで「血」で家の安泰を図る。だから、ヨーロッパの場合、余りにも血が混ざり合い、血では識別できなくなっています。そうすると、家督を相続する根拠が問われます。

 ヨーロッパの王族の弱いところは、当時なぜ王だったのか、そして、なぜ現在も王なのかを説明できないことです。「国際儀礼(プロトコール)」では、各国の代表(国王、元首、大統領、首相)が一堂に会するとき、最上席に案内されるのが“世界最上級身分”と議定されている天皇です。世界の王族が羨む天皇家ということでしょうか。

 話を16世紀に戻します。囚われの身のスコットランド女王メアリーは逃亡を企てますが失敗します。そして、イングランド転覆を図ったとして斬首の刑になります。他国の女王を処刑する。そのようなことをするためには、裁判で決定的な証拠が必要でした。そして、その証拠が裁判で提出されます。それは、メアリーと彼女の支援者が使っていた複雑な暗号を解読した証拠でした。

 イギリスに限らずヨーロッパの歴史は血塗られています。どんなに繕おうとしても、黒い歴史を消し去ることはできません。歴史書をひもとくと、主人公である王や女王よりも、その周辺に巣くう王侯貴族の低脳ぶりと卑劣さが際立っています。

 1587年2月1日、エリザベスは側近に促され、不本意ながらメアリーの処刑命令書にサインをします。それから一週間後、メアリーは幽閉先のフォザリンゲー城の大広間で首切り人により首を切り落とされます。そして、さらに恐ろしいことが起こったようです。イギリスの黒歴史です。

 処刑後、処刑を見守っていた人たちが退出します。そして、大広間のドアは一つ残らず閉じられ、そこには首切り人と死体だけが残りました。そして、『「とんでもない、破廉恥なことがここで起こった」とブラントームは語っている』そうです。
(出典:メアリー・スチュアート、アレクサンドル・デュマ著、田房直子訳、作品社、2008、p.265)

 メアリーの処刑については多くのサイトで取りあげているので、関心のある方はそちらをご覧下さい。しかし、デュマの記述を取りあげたのはこのサイトだけのように思いますが。デュマなので小説なのかも知れませんが。

 さて、メアリーが使っていた暗号は当時としては極めて解読の難しいものでした。それがどうして解読されてしまったのでしょうか。そこには、暗号強度が影響していました。

 このような切り口の記事はネット上にはありません。上で引用した書籍にも書かれていません。

 記事が長くなったので、続きは次回とします。お楽しみに。

 イングランドの九日間の女王といわれるジェーン・グレイについても書きたいと思います。ロンドン塔に幽閉され、処刑されたジェーン・グレイ。管理人の大好きな夏目漱石もその著書「倫敦塔」で書いています。

 イギリス人って、女王の首を切るのが好きすぎる。その取り巻き連中は利己的でうさん臭い人ばかり。「ナイトの称号」って、自分の親分も守れなかったという悲しい称号。


posted by ネコ師 at 04:19| Comment(0) | 古代の謎・歴史ヒストリー | 更新情報をチェックする
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