2016年10月07日

ギザの三大ピラミッド建造の謎: 三つのピラミッドの大きさの謎を解明する


 ギザ台地にそびえ立つ三つの巨大なピラミッド。一般には、クフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドと呼ばれています。

 世界の注目を集めているのが、これらの中で最も巨大なクフ王のピラミッド。不思議なことに、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドについては、クフ王の影に隠れてネット上にはほとんど情報がありません。

 そもそも、この三つのピラミッドの大きさはどうやって決められたのでしょうか。
 とても不思議です。何が不思議か。それは、誰もこのことに疑問を呈さないこと。

 【クフ王のピラミッド】
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Source: Ⓒ Nekoshi

 【カフラー王のピラミッド】
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 Source: Ⓒ Nekoshi

 【メンカウラー王のピラミッド】
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 Source: Ⓒ Nekoshi

 【ギザの三大ピラミッド遠景】
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 Source: Ⓒ Nekoshi

クフ王のピラミッドに比べて巷の関心が低い二つのピラミッド


 世間の関心はクフ王のピラミッドがどうやって造られたのかということ。これよりサイズの小さいカフラー王、メンカウラー王のピラミッドが軽視されるのは、最も大きなピラミッドの謎が解ければ、その他のピラミッドの謎も解ける、という思い込みがあるのではないでしょうか。

 最初にクフ王のピラミッドを造り、次に息子のカフラー王、さらにその息子のメンカウラー王のピラミッドが造られた。これって本当なのでしょうか。

 Wikipediaの「ギザの大ピラミッド」というページに建造方法に関わる以下のような記述があります。

 「直線傾斜路説: ピラミッドまで緩い斜面をもつ1本の直線の通路を作り、ソリで石材を引き揚げて建築する方法。斜ピラミッドが高くなるにつれて通路も長くなり、最終的にピラミッドと同じ容積の材料が通路を作るために必要となる欠点が指摘されている。 一方、ピラミッドは高い部分になるにつれ必要な石材の量は減るので、建設が進行すればするほどピラミッドより通路の設置のほうが大変になることになる。斜面の傾斜を5度とするとピラミッドの頂上を作るときには長さ1.6kmの傾斜通路が必要となり、石切り場からピラミッドから逆の方向に1km運んでから直線傾斜通路に乗せることになる。またピラミッドが完成した後に、ピラミッドと同じ体積の石材をつかって作った通路を撤去する必要がある」
 
 この文章は、「直線傾斜路説」を否定するために一般的に言われていることです。読者の方も似たような文章を読んだことがあると思います。

 実は、管理人は、この文章を読んでいて引っかかったことがあります。それは、「最終的にピラミッドと同じ容積の材料が通路を作るために必要となる欠点が指摘されている。」の部分。

 大ピラミッドの建造方法について、これまでにも様々な説が出されています。しかし共通しているのは、「直線傾斜路説」。ピラミッドの建造には「直線傾斜路」が不可欠です。ただし、ピラミッドの上部への石材運搬方法について、「直線傾斜路説」では不都合が出てくるため、これに替わる様々な仮説が提案されています。

 管理人が気になっていたのが、カフラー王とメンカウラー王のピラミッド。大ピラミッドの建造後、これらのピラミッドが順次造られた。それは正しいとして、その意味は全く別の所にあるのではないか。そんなことが頭に浮かびました。

三大ピラミッドは雄大な設計の元に建造された

 三大ピラミッドの配置が夜空に輝くオリオン座の三つ星の配置と同じだということに着目して、ギザの三大ピラミッドはオリオンの三つの星を地上に投影したものだという説が唱えられました。

 下のGIFアニメでも分かるとおり、ギザ台地の三つのピラミッドの配置は、オリオンベルトの三つ星の配置と極めてよく似ています。

Orion_Pyramid.gif


 この説は面白いのですが、オリオン座のうち、三つ星以外の星座が地上に反映されていないなど、都合のよい部分だけ持ってきた説という感じは否めません。この説は、ピラミッドの配置のことだけに終始しているので、この真偽についての考察は他の方に譲ります。
 
 本記事では、この説が正しいと仮定し、壮大なグランドデザイン(全体構想)に基づき、ギザ台地の三大ピラミッドが建造されたという部分に着目したいと思います。

 すると、三つのピラミッドは、最初からその配置も大きさも決められていたと言うことになります。
 もしそうであるのなら、これまでと何が違ってくるのでしょうか。実は、『仮設工事』が違うのですよ。完全に!

仮設工事を考えると見えてくるピラミッドの建造方法

 管理人が以前から気になっていたことは、ピラミッドの建設中に使われた仮設資材は、ピラミッド完成後、どこに運ばれたのかということでした。直線傾斜路に使われた石材は膨大な量です。それは一体どこに行ってしまったのでしょうか。

 冒頭に取りあげたWikipediaの記述を再度確認してみましょう。

 「最終的にピラミッドと同じ容積の材料が通路を作るために必要となる欠点が指摘されている。」

 もし、ピラミッドを一つずつ単独で建造するとすれば、仮設材の処理が大問題になります。しかし、三つのピラミッドを建造することを前提に工事をするのであれば、話が違ってきます。最も重要となるのは、『仮設材の転用計画』ではないでしょうか。

 「仮設」は、建物などを建造するために必要となる仮の施設で、仮設道路、荷揚げ施設、足場、資材運搬機器、作業員宿舎などたくさんの種類がありますが、工事が完成するとそれらはすべて撤去されます。

 撤去された仮設材はどうなるのか。他の現場で再び使います。
 
 大ピラミッドの建造方法として直線傾斜路があり得ない理由として、大ピラミッド建設に必要な石材と同じくらいの石材が仮設道路建設に必要になる。だから、あり得ない。

 管理人には、これは「あり得る」と映ります。何を根拠にあり得ないと主張しているのか理解できません。
 
 三つのピラミッドを造るというグランドデザインに基づき、仮設計画を立てるとどうなるのか。
 
 「クフ王のピラミッド建設で使用した直線傾斜路の石材を、カフラー王のピラミッド建設とそのための直線傾斜路建設に使用する。」

 「カフラー王のピラミッド建設のために直線傾斜路で使用した石材をメンカウラー王のピラミッド建設および直線傾斜路の石材として使用する。」

 例えば、レゴブロックで考えてみましょう。突起が4つある四角いレゴブロックで考えてみます。

レゴブロック


 このレゴブロックが1000個あります。
 このうち、500個を使ってピラミッドを作ります。残りの500個を使ってピラミッドに沿わせて直線傾斜路を作ります。

 次に、この直線傾斜路のレゴを分解し、新たに425個でピラミッドを作ります。残り75個で直線傾斜路を作ります。

 さらに、この直線傾斜路を分解し、65個を使って三つ目のピラミッドを作ります。残り10個で直線傾斜路を作ります。

 最後に、直線傾斜路を分解し、できあがったピラミッドの周りに10個のレゴを配置します。これが三大ピラミッドの周りにある衛星ピラミッドになります。

 仮設用道路の石材を次のピラミッドに転用した。何となく分かったけれど、本当にそんなことが可能なのか。そんな疑問が湧きます。

 ここで、三つのピラミッドの体積に着目します。

三大ピラミッドの設計諸元


 Wikipediaにも載っていた大ピラミッドの体積と同程度の直線傾斜路資材が必要という前提条件で考えます。

 これは、どのように直線傾斜路を設計するかによって必要となる石材量が変わってくるので、このような前提で考えることにします。

slope_Pyramid01.png


 クフ王のピラミッドの体積は 259万m3 です。直線傾斜路石材も加えると 518.6万m3になります。
 これが最初に必要な石材総量です。(上のレゴブロックの例では1000個)

 次に、直線傾斜路を取り壊し、その石材 259万m3 の14.3%、37万個を使って直線傾斜路を造り、残りの85.7%、222万個の石材を使ってピラミッドを造ります。

 さらに、37万個を使って造った直線傾斜路を解体し、そこから24万個の石材を使ってピラミッドを、13万個の石材で直線傾斜路を造ります。

 最後に、直線傾斜路を解体して、使われていた13万個の石材で多数の衛星ピラミッドなどを建造します。
直線傾斜路と石材転用計画


 三つのピラミッドは、なぜあのような大きさになっているのか。
 グランドデザインに基づく仮設計画で、最も効率よく建設工事を行うための最適解がこのピラミッドのサイズだったのではないでしょうか。

 最初に用意した石材だけで、三つのピラミッドを造ることができます。すると、石切場は最初の時だけ使うことになり、二つ目以降のピラミッド建設時には、石切場で働いていた人員をピラミッド建設作業に配置することができます。

 この仮説では、ピラミッドの体積と同程度の量の直線斜路用石材が必要という前提条件を用いています。この前提条件は、直線斜路をピラミッドのどの高さまで使うのかで大きく異なります。しかし、今回の仮説の特徴は、この前提条件の精度ではなく、グランドデザインと工事計画、仮設計画(仮設材の転用計画)とを結びつけた新たな説を提示していることです。


posted by ネコ師 at 01:03 | Comment(0) | 古代の謎・歴史ヒストリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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