2016年11月26日

白黒写真を自動でカラー写真にするサービス


 白黒写真をカラー写真に自動で変換するwebサービスがあります。
 ここまで技術が進化したのか! と思いたいのですが、その精度はどれほどのものなのでしょうか。

 早速試して見ましょう。
 確認したい点は、①色が正確に復元されているか、②色の範囲が正確か、の2点とします。

サンプルとして使用する画像

 サンプル画像として、赤、青、黄色や中間色が含まれ、カラー化の精度がよく分かる下の写真を使いましょう。この写真をグレースケールに変換したものをサンプル画像とします。

COLORIZE_ORG_400px.jpg
        Source: 無料写真「写真AC」

siggraph2016_colorization

 先ずはじめは日本のサイトから。早稲田大学で開発した人工知能を使ったソースをWEBサービスとして楽天技術研究所が公開しているものがあります。それが、"siggraph2016_colorization"。

 早速やってみます。
 このサービスでは、[フレーバー]という設定で、着色の際の色味を変化させることが可能です。
 フレーバーは、① 使わない、② city1、③ city2、④ sky1、⑤ architecture1、⑥ architecture2、⑦ night1、⑧ sunset1、⑨ sunset2 の9種類用意されています。

 これをGIFアニメで連続表示したのが下の画像です。

siggraph2016_colorization_Animated_GIF.gif

 
 オリジナルの写真と比べると、このアルゴリズムは原色系が苦手なようです。

ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け

 上のアルゴリズムを開発した方々(飯塚里志、シモセラ・エドガー、石川博)が、2016年、webサービス『ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け』を開始しています。ただし、こちらのサイトでは、[フレーバー]のようなオプションはなく、設定の変更はできません。

 同じアルゴリズムを使っているので、結果は同じ・・・かと思ったのですが、実際には若干違います。

Waseda_colorize01.png


 二つのwebサービスの違いは、前者でカラー化された画像はjpg形式で、後者ではpng形式で出力されることと。さらに、前者の方が後者と比べて出力される画像サイズが大きいこと。縮小割合は、元画像の大きさにより変化するようです。

 着色についても少し違いがあります。比べてみて下さい。

 この二つのサービスを他の写真でも試して見たのですが、きれいに着色できる写真とできない写真があります。やはり、元になる写真の画質が大きく影響しているようです。

 以前アップしたビリー・バーク(Billie_Burke)というアメリカの女優さんでやってみましょう。
 webサービスで着色すると、かなり自然な感じに着色されています。

Billie Burke.png


 ところで、以前アップしましたが、管理人がPhotoshopで着色したのが下の画像です。

Billie_Burke_1908_colorize.jpg


 二枚を比べると、着色の精度だけでなく、色合い(色相)、明るさ(明度)、あざやかさ(彩度)など、そもそも何を目指して着色するのかという根本的な課題に直面します。

 もう一枚試して見ました。こちらはきれいに着色されているように思います。GIFアニメで、モノクロとカラーを交互に表示しています。

 確かにきれいに着色されているのですが、明治の白黒写真を明治のカラー写真にした、という感じがします。つまり、"カビの生えた写真"という印象を受けます。
 
animated GIF 芸者 浜勇



 ロシアのKLIMBIM氏が"COLOR BY KLIMBIM"というサイトで公開している古い白黒写真をカラー写真にしたものは、とてもあざやかに仕上がっています。まさに、最近、写真館で撮影したものかと思えるほどの仕上がりです。古くささは微塵も感じません。

 もちろん、この画像の作り方は、白黒写真の上に単純に色を載せて作っている分けではないのですが、彼女の作品を見ると、白黒画像のカラー化とは何だろう?、と考えさせられます。

colorized-vintage-old-photos-russia-28-5721d57f172b3__880.jpg
   (出典:"COLOR BY KLIMBIM")

Colorize Photos

 次に、外国サイト「ALGORITHMIA」の『Colorize Photos』をご紹介します。

 このサイトの着色は、ちょっとレベルが低い気がします。どの色も満足に再現されていません。
 また、出力された画像の右下にロゴが自動挿入されるという問題もあります。

Colorize Photos01.png


colorizephoto.com
 
 次に、塗り絵のように写真に着色できるサイト『colorizephoto.com』をご紹介します。

 上のサイトで思ったような着色ができなかったとき、一部分の色を変更するのに便利なサービスです。

 このサイトの特徴は、『色見本として読み込んだ写真の色を白黒写真に塗れること』。
 下の画像が操作画面です。左側のウインドウに着色したい画面を読込、右側のウインドウに「色見本(パレット)」となる画像を読み込みます。右側の画像で色を抽出し、左側の白黒写真を塗っていきます。 レタッチソフトのスポイトと同じ機能です。

 
colorizephoto_com.png


 このサイトの特徴の一つに、読み込んだ画像と同じサイズで、png形式で出力できる点があります。これにより、加工後の画像の劣化を抑えることができます。

まとめ

 白黒画像のカラー化は、なかなか難しいことが分かりました。白黒写真には色情報がないため、濃淡だけで色を振り分けているようです。極端な色が出ないように、原色系は再現できない。オリジナルの黒色も再現できない。

 写真技師の方は、白黒写真の濃淡を元にオリジナルの色をある程度再現できるようです。
 人工知能は、まだまだ人間には及ばないということでしょうか。


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2016年06月18日

フローティングレディ画像の作り方


 時々、宙に浮いている女性の写真を見かけることがあります。
 これって、どうやって作るのだろう。

500px.comのDani DiamondさんによるLight Sleeper
      Source: Light Sleeper, Dani Diamond

 大体のことは予想できたのですが、Youtubeに撮影シーンが載っていました。
 作り方はそれほど難しいことはないのですが、これをやってくれるモデルがいない。



 人は写真の人物に影があると本物と無意識に認識する習性があるように思います。逆に、影がないと作り物のように感じてしまう。

 写真を撮影する時は、画像処理する部分をあらかじめ決めておき、画像処理できない部分、例えば向こうが透けて見える部分などは別撮りにするという工夫をしているようです。

 "floating lady"というキーワードで画像検索するとたくさんの宙に浮いた女性の写真を見つけることができます。このテーマは、見ていて不思議と言うよりも、幻想的できれいです。管理人の好きなモチーフです。

Fly_woman1.jpg
      Source: Nekoshi 2016

 アンデス上空を飛ぶ飛行機の窓から見たら、なんか変なものが飛んでいました。たぶん気のせい。


posted by ネコ師 at 23:35| Comment(0) | 役立つ知識(画像編1) | 更新情報をチェックする

2016年05月28日

写真に加工したロゴや透かし文字を入れる方法


 最近アップする画像にはロゴマークを入れるようにしています。
 別に入れなくても良いのですが、・・・。

 管理人のロゴマークの入れ方について説明します。ロゴは、Powerpointで作っています。
 もちろん、WordでもExcelでも作れますが、作ったロゴを背景が透明なpng画像として出力するのにPowerpointが簡単なのでこの方法を使っています。

 今回は、単にフォントを使った文字入れだけではなく、文字の変形もしてみましょう。どこにもないオリジナルの文字が作れます。webサイトのタイトルやロゴマークなどに使えるテクニックでしょう。

 題材は「ちはやふる」という美しい日本語にします。しかも縦書き。
 下の画像が仕上がりのサンプルです。記事の最後に画像に組み込んだものもアップしています。

 ちなみに、このようなフォントは存在しません。加工しています。

ちはやふる.png


ちはやふる2.png


ちはやふる3.png


画像に入れる文字をPowerpointで作成する

1.PowerPointを起動し、画像に表示したい文字列をテキストボックスの中に入力します。文字サイズはできるだけ大きくします。

2.フォントの中から、良さそうなものをいくつか選びます。並べてみると違いがよく分かります。今回は縦書きの日本語にします。縦書きの日本語は、筆運びが重要になります。フォントでは文字間の筆運びができていません。これは後で修正するので、とりあえず無視。

ちはやふる_pp1.png


3.気に入ったフォントを決定。
 今回のサンプルでは、『GL-アンチックPlus』というフォントを使います。

4.文字を一文字ずつ分割してテキストボックスに入れます。一つのテキストボックスに1文字です。そして、文字サイズをできるだけ大きくします。下の例では1文字160ポイントを大きさにしています。

ちはやふる_pp2.png


5.テキストボックスをクリックして選択し、テキストボックスの角を右クリック ⇒ 「図として保存」。これをすべての文字で行います。今回は5文字なので五つのpng形式の画像ファイルが出力されます。

ちはやふる_pp3.png


レタッチソフトで加工する

1.この五つの画像をPhotoshopなどのレイヤーを使えるレタッチソフトに読み込みます。

ちはやふる001.png


2.キャンパスサイズを広げ、読み込んだ文字を順番通りに並べます。この時、筆運びを意識し、文字の間隔を調整します。この時に重要になるのが書き順。これを間違えるとみっともないし、不自然な文字になるので、念のため確認しておきましょう。

 以下、ワープを使います。ファイルはすべてスマートオブジェクトに変換してから作業を行います。これにより画質の劣化をほぼ防げます。スマートオブジェクトではできない操作が必要な場合は、一旦解除し、その操作終了後に再度スマートオブジェクトに設定します。きれいに仕上げるにはこれがとても大事です。

3.最初の文字の書き終わりの部分を選択ツールでコピーし、新しいレイヤーに貼り付け。これをワープで次の文字の書き出しの部分につながるように変形します。

4.次の文字のレイヤーで、文字の書き出しの部分を上と同様に選択ツールでコピーし、新しいレイヤーに貼り付け。これを前の文字の書き終わりの部分とつながるようにワープで変形します。

5.この作業を繰り返し、すべての文字の筆運びを調整します。

ちはやふる002.png


6.次に、文字の大きさを変更します。フォントの文字は同じ大きさですが、実際の文字は人のクセにより文字の形や大きさが異なります。自分の好きな形に調整します。

7.文字を変形すると、つなぎの部分が合わなくなるのでワープによりうまくつながるように変形します。

ちはやふる003.png


8.完成したら一つのレイヤーに統合。これでできあがりです。あとは、文字の色を変えたり、影を付けたり、背景画像を入れたり。好きなように加工します。透かし文字にするには、透明度を調整します。ロゴをクッキリ入れるよりはやっと見えるくらいに透明にした方が良い場合もあります。

ちはやふる004.png


 写真に文字入れしたサンプルです。背景画像は山寺で撮影したものを使いました。

ちはやふる_S.jpg


ちはやふる_s2.jpg


ちはやふる_s3.jpg


ちはやふる_s4.jpg



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2016年05月10日

驚くほどきれいな白黒写真のカラー着色


 まずは、下の写真をご覧下さい。ロマノフ朝第14代にして最後のロシア皇帝であったニコライ二世とその家族の写真です。1918年7月17日、この一家は、全員が銃殺されてしまいます。

 ニコライ2世の右側に4女のアナスタシア、左側が皇后のアレクサンドラ。手前が皇太子のアレクセイ、最後列左から3女のマリア、2女のタチヤナ、長女のオリガです。

 この写真のオリジナルは白黒写真なのですが、カラーにした人がいます。それが下の写真です。

colorized-vintage-old-photos-russia-28-5721d57f172b3__880.jpg

(出典:"COLOR BY KLIMBIM")

"COLOR BY KLIMBIM"というサイトで公開されており、作品を商用以外にダウンロードして自由に利用しても良いと許可されています。

 このサイトでは、他にも白黒写真をカラーにしたものをたくさん公開しています。
 
 白黒写真をカラーにするには、色を乗せていくのですが、KLIMBIM氏の方法は単純なものではないようです。

 たとえば、色を乗せるという機能に優れた「Recolored」というソフトを使って着色すると下のようになります。

 
Sample_color01.jpg
 

 白黒の陰影がそのまま肌のくすみとして残ってしまいます。
 かといって、色を塗ってしまうと塗り絵のような画像になります。

 管理人が以前アップしたアナスタシアの写真を着色したのものが下の画像です。

Anastasia01.jpg


 結構時間をかけて、パーツ毎に着色していってもこの程度のできばえで、KLIMBIM氏のカラー化画像には遠く及びません。

 KLIMBIM氏の着色は、肌に透明感があり、髪の毛や服がとても自然に見えます。

Sample_color02.jpg


 これだけ優れた品質のカラー化画像は、他では見たことがありません。どうやって作っているのか興味が湧きます。


posted by ネコ師 at 20:39| Comment(0) | 役立つ知識(画像編1) | 更新情報をチェックする

2015年12月17日

東京タワーから撮影した複数の写真を合成


 先日、東京タワーに行った時に撮影した展望台からの景色をパノラマ写真にしてみました。
 今日は、この方法をご紹介します。

加工前後の写真の比較

 加工することでどれだけ違いが出るか、わかりやすく比較してみましょう。

 下の写真がオリジナル写真のうちの一枚です。

Panorama_tower02.jpg


 展望台のガラス越しに撮影しているので、何とも眠くなるような写真になっています。撮影したカメラはニコン製で、比較的広角なのですが、写る範囲はこの程度です。

 次に、パノラマ加工後の写真です。 24枚の写真を使って合成しています。クリックすると大きな画像を見ることができます。パノラマ写真というと、横にひょろ長いイメージですが、広範囲に撮影した写真を複数枚使うことで、下のような写真を作ることができます。

Zojoji_and_PrinceHotel_tonemapped.jpg


 最初のオリジナル写真と比較するとかなり広い範囲が写っているのが分かると思います。パノラマ合成しないとこのような写真はできません。しかも、くっきりとした写真になっていますね。
 
 それでは、この写真加工の仕方を見ていきましょう。

写真の準備

 今回は、24枚の写真を合成してパノラマ写真にしています。
 できるだけ広い範囲にカメラを向けて何枚も撮影しました。

 パノラマ写真に合成するためには、写真の重なり部分が30%以上必要になるので、できるだけたくさん撮影します。ただし、展望台のガラスの縁が写ると合成の妨げになるので、写真に映り込まないように注意しました。少しなら自動的にその部分を無視してくれますが、範囲が大きいと合成に反映されてしまいます。もし余計なものが写ってしまったら、トリミングして切り取ってしまう方が効率的です。

Panorama_tower01.jpg


パノラマ写真に合成する

 複数の写真からパノラマ写真を作るソフトはいくつかありますが、管理人はMicrosoft社が無料で配布している「Microsoft Image Composit Editor(ICE)」をよく使います。最近、新しいバージョンが出たのですが、機能が増えた分、以前のバージョンよりも操作が少し面倒になりました。順を追って説明します。

1.ICEをインストールして起動します。
  開いた画面で、[New Panorama From Images]をクリック。

Ice_1.png


2.[Select overlapping Images]ダイアログが開くので、準備した画像をすべて選択します。
 専用のフォルダを作っておいて、加工用の写真ファイルをそれに入れておき、[Ctrl]+[A]ですべて選択する方法が楽かと思います。

3.写真を選択すると下の画面になるので、画面右上にある[NEXT]ボタンをクリック。

Ice_2.png


4.変換が始まります。終了するまでしばらく待ちます。
 変換が終了すると下のような画面になります。①のスライドバーで表示サイズを調整、②のProjectionリストの中から、好みの変換方法を選びます。格子枠の中はクリック&ドラッグで縦横に動かすことができます。良いポジションが決まったら、③の[NEXT]をクリック。

Ice_4.gif


5.切り抜きモードの画面になります。
 白い枠線を動かして切り抜く範囲を決めます。自動でやることもできます。その場合は、[Auto complete]ボタンをクリック。最後に、[NEXT]ボタンをクリックして次に進みます。

Ice_5.gif


6.最後に、保存して終了です。[Export to disk]ボタンをクリックして保存します。

Ice_6.gif


 これでパノラマ写真の完成です。

 この後、できあがったパノラマ画像の色彩の調整加工をします。
 今回は、「Photomatix Pro 5.1.1」を使って処理しました。通常のレタッチソフトである程度きれいに仕上がると思います。


posted by ネコ師 at 17:46| Comment(0) | 役立つ知識(画像編1) | 更新情報をチェックする