2017年02月24日

東京オリンピックに向け、トイレのシンボルマークはこれで決まり!


 施設の場所を示すときに使われる掲示板。いろいろな種類があり、とても覚えきれない。

 このような掲示板に求められるのは、誰でも絵を見ただけで意味を理解できるということ。
 この絵文字のことを『ピクトグラム』というそうです。

「ピクトグラム(英語: pictogram)あるいはピクトグラフ(英語: pictograph)とは、一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つである。地と図に明度差のある2色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられる。」(Wikipedia, 「ピクトグラム」)

 現在、世界的に広く使われているトイレを表す絵文字は、1964年に開催された東京オリンピックで初めて使われたもののようです。ところが、このピクトグラフは古くさく、現代では使わない方が良さそうです。1964年当時とは時代が違います。

Toilet-Pictograph-0.png


 このピクトグラフの何が問題なのか。それは、LGBTなどの性的少数者を無視したマークになっているからです。

 これを配慮したマークを作ると、下のようになる・・かも。さまざまなパターンがあるのでとても全てを表現しきれない。

Toilet-Pictograph-1.png


 もっと分かりやすくすると、こんな感じでしょうか。

Toilet-Pictograph-4.png


 本場、アメリカでは、「GENDER NEUTRAL」や「ALL GENDER RESTROOM」の文字の入った看板、トイレもあるようです。めんどくさいので『誰でもトイレ』ということでしょう。日本でも最近、『誰でもトイレ』が増えてきたようです。車いす利用者用のトイレが誰でも使えるトイレになっています。 「本場、アメリカ」とは、人種差別の本場であるとともに、人権保護の本場でもある・・・。

 50年以上前に作られたマークは、社会の変化により見直しを迫られている。人種だけではなく、ジェンダーにも配慮する必要がある。

 50年前と違うのは印刷技術。絵文字に固執せず、写真を使ったらいかがでしょうか。

 2020年の東京オリンピックでは、下のような看板にしたらいかがでしょうか。 どんな人種の人でも、理解できると思います。

 本来、文字を入れてはいけないでしょう。その文字を理解できる人ばかりではない。「Toilet」とか英語を記入するのはマジョリティ思考の現れでしょう。

 その意味で、もし、文字を入れるとするならば、デザインの一部として日本語で書いた方がクールです。

Toilet-Signboard-01.jpg


Toilet-Signboard-02.jpg


Toilet-Signboard-03.jpg


 最後に、『誰でもトイレ』は日本らしく、こんな感じでしょうか。アジアの人なら分かってくれると思いますが、一部の国の人は混乱するだけかも。そんな場合には、ドラえもんの『誰でもトイレ』を広報すれば問題が解決する・・・かも。

誰でもトイレ


 この話題は単純そうでいて実は奥が深い。

 2017年2月24日付け「HUFFPOST LIFESTYLE JAPAN」に次のような記事がありました。

 『アメリカのドナルド・トランプ大統領政権は、「自認する性に応じたトイレの使用を許可するよう求めるガイドラインを撤回する」と2月22日に発表した。』(「「トランスジェンダーのトイレ」権利認めず ビヨンセらが抗議の声」)


posted by ネコ師 at 00:09 | Comment(0) | サイエンス・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月04日

「サムシング・グレート」の謎を追う


 今日は、遺伝子と微生物のお話しです。

腸内フローラとは?

 「腸内フローラ(Gut flora)」という言葉をご存じでしょうか。人間の腸内に生息する細菌群を総称するものとして最近よく耳にします。

 この細菌は人間の身体の中にどのくらいいるのかとWikipediaを調べてみたら、その数なんと1000兆個!
 でも、これは嘘っぱちですね。

  「腸内細菌とは、ヒトや動物の腸の内部に生息している細菌のこと。ヒトでは約3万種類、1000兆個が生息し、1.5kg-2kgの重量になる。」(Wikipedia、腸内細菌

 この情報の出典になっている須藤信行氏の論文『ストレスと腸内フローラ』を読むと、そんなことはどこにも書かれていない。「細菌数は成人で10の14乗、重量にして1kgにも相当するとされている」という記載はありますが。ちなみに、10の14乗は100兆個です。出典にないことをあたかも引用したかのように装い、さらに誤って記載しているなどWikipediaの執筆者としては失格です。

腸内フローラ.jpg
   Source: なんでも保管庫

 管理人がこの数にこだわる理由は、人間の細胞数との関係にあります。
 レニンで有名な村上和雄氏の著書『生命の暗号』を読んでいたら、体重60キロの人で約60兆個の細胞からできている。成人1キロあたり約1兆個の計算になる[1]、と書いてありました。

 すると、人間の細胞の数(60兆個)より体内の細菌数(100兆個)の方が多いということになります。
 これってどう考えてもおかしい。細菌が住み着く腸の空間よりも人間の体積の方がはるかに大きい。水分を考慮したとしてもオーダーがおかしい。しかも、細胞は生命の最小単位。

 どちらかの数値に大きな過ちがあるように思います。

サムシング・グレートとは?

 なぜ、こんなことを問題視するのかというと、それは「サムシング・グレート」との関係にあります。
 村上氏が唱えた「サムシング・グレート(偉大なる何者か)」。彼が遺伝子レベルの研究をしている上で導き出したひとつの結論なのでしょう。たとえそれが宗教じみた考え方に見えたとしても、何の実績もない批評家の話よりは真実みがあります。

 村上氏の論理は、すべての生物に共通する遺伝子の存在は、「サムシング・グレート(偉大なる何者か)」によって造られたとしか考えられないというもの。そして、遺伝子には、ONとOFFの状態があり、特定の条件でそれが切り替わるというもの。そして、それを切り替えるものは人間の意志と村上氏は捉えている。

 この遺伝子のONとOFFという捉え方は、今からちょうど20年前、『生命の暗号』が刊行された1997年には目新しい考え方だったのですが、現代では広く受け入れられています。長寿遺伝子のON、OFFについてのテレビ番組もたびたび放映されています。

サムシング・グレートはどこにいるのか?

 管理人が村上氏の『生命の暗号』を読んでいて違和感を覚えたのが、微生物についてまったく考慮されていないこと。人間とその体内微生物とは共生関係にあります。 

 では、体内の微生物は、遺伝子のON、OFFに対して全く作用していないのでしょうか。これが、管理人が疑問に思ったことです。そして、これが冒頭で体内の微生物の数と人間の細胞数にこだわった理由でもあります。

 微生物の世界は研究者が少なく、実際の所、ほとんど何も分かっていないのが現状です。そもそも、生物なのか鉱物なのか、それさえも分からないのが微生物の世界。培養できないと観察することさえ難しい。研究されているのは培養が可能なほんの一部の微生物だけです。

Bacteria-01.jpg
    Source: なんでも保管庫

 近年の研究で人間の生命維持に『腸内フローラ』が大きな役割を果たしていることが分かってきました。

 腸内に住む微生物はすべて大腸菌と思いがちですが、実際は違うようです。

 慶応大学先端科学研究所 福田真嗣特任教授によれば、日本人のお腹の中に大腸菌は少なく、数百から数千ある腸内細菌の1%程度なのだそうです。以前は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌と分類されていましたが、悪玉菌とされてきた中にも人間に有用な働きをする菌がいることが最新技術で発見されています。

 人間の生命維持に不可欠な存在である微生物が、村上氏が唱える「サムシング・グレート」そのものではないか。このような仮説を考えて見ました。なぜ、そう考えるのか。それは、微生物が人間の歴史よりもはるかに長い歴史を持つ生物だからです。もし、「サムシング・グレート」を「神」にたとえるのならば、微生物は神の座に最も近い場所にいる・・・筈です。

 もう一点、『生命の暗号』を読んでいて疑問に感じたことがあります。それは、『炭素』が完全に無視されているということ。村上氏はタンパク質に特化した視点で物事を捉えているようです。このため、炭素が完全に無視されているように感じました。

 管理人は、村上氏が唱える「サムシング・グレート」の存在を解き明かす鍵は、同氏が見落としている『微生物』と『炭素』にあるような気がしてならないのです。

遺伝子のON、OFFに体内細菌が関わっているのか?

 われわれの生命は炭素によって形づくられていますが、エネルギーは還元状態にある炭素からしか取り出すことができません。この炭素を燃やしてエネルギーに換えます。そこで排出されるのが二酸化炭素。つまり、酸化した炭素です。この酸化した炭素を再び還元状態に戻して、エネルギーを取り出すことは、通常はできません。

 ところが、これをやってのける優れものがいます。それが植物。植物は光合成によって、二酸化炭素から酸素を取り除き、それを気体として放出して還元状態の炭素を創り出します。太陽エネルギーを使って巧みに二酸化炭素を還元して炭素を創り出している。

DNA-02.gif


 管理人が『炭素』に着目する理由は、「葉緑体」と「ミトコンドリア」、そして「シアノバクテリア」の存在が「サムシング・グレート」と深く関わっていると考えるからです。生物の発達過程から考えても、これらが「サムシング・グレート」と無関係と考えることの方が無理があります。

人間は本当に脳で考えているのか?

 人間がいろいろ考えたりする臓器はどこでしょうか? そんなの脳に決まっているよ! そんなことも知らないのか、この管理人は!・・・と思われそうですが。

 脳からの微弱な電気信号により人間が行動しているということは、確認されていることです。では、その電気信号を発するように指示している臓器はどこにあるのでしょうか。そして、そのメカニズムは? 

 脳でしょうか? それとも心臓でしょうか? はたまた別の臓器でしょうか? それは確認されていません。つまり、分からないのです。これが分かればノーベル賞のようです。

人間の「心」はどこにあるのか?

 昨年、2016年12月18日放送のNHKの『サイエンス zero』で『徹底解説!科学の“未解決問題” 心はどうやって生まれるのか?』という番組をやっていました。科学の“未解決問題”について2週にわたって放映していました。

 この番組では、『心』を「意識・意志・感情・思考」の四つで捉え、心が頭脳のどこで発生しているのかの研究状況を解説していました。結論から言えばそれが分からない。だから「科学の未解決問題」なのですが。

 脳内で発生する微弱な電気信号の場所を突き止め、そこに心があるのではないかという仮定で研究が進められているようですが、その場所が脳の様々な場所で反応があることから、現時点では心の場所は全く分からないようです。

 この番組は日本科学未来館で公開収録されたものですが、会場の女の子から、「なんで脳だけ調べるんですか?」という鋭い質問が出されました。なぜ心の場所が脳にあると考えるのか? 心臓や他の臓器を調べないのか、という素朴な疑問です。これに対して、プレゼンを行った神経科学者の金井良太さんは、他の臓器はその役割や機能が分かっているが、脳は分からないから、と答えていました。

 確かに、胃は食物を消化する器官、腸はそれを消化・吸収する器官・・・という見方をすれば、既にそれらの臓器の機能は解き明かされており、残るは頭脳だけ、という発想は頷けます。

 しかし、ここで『微生物』という視角で観ると、何も分かっていないことは明らかです。
 例えば、下の動画。

 スイスの食品科学者 Heribert Watzke氏がTEDでプレゼンを行っています。
 まずは、これをご覧下さい。

Source: TED, 【腸内細菌 腸は賢い】  腸の中にある脳 Heribert Watzke ted 日本語字幕

 Heribert Watzke氏のプレゼンの内容がどれほど信憑性があるのかは分かりませんが、これまでにない切り口でのプレゼンであることは確かです。

欲とは?
 
 仏教では、人間には、財欲、色欲、食欲、名誉欲、睡眠欲の五欲があるとしています。キリスト教では七つの大罪、すなわち、高慢(傲慢)、物欲(強欲)、妬み(嫉妬)、憤怒、色欲(肉欲)、貪食(暴食)、怠惰。漫画でおなじみの七つの大罪ですが、色欲(肉欲)と貪食(暴食)が人間の肉体に関わることで、それ以外は精神的な欲望です。仏教では、色欲、食欲、睡眠欲が肉体に関わる欲と考えられます。

 Heribert Watzke氏のプレゼンを観ると、人間の原始的な欲求には腸が大きく関わっているのではないかと思えます。この分野の欲求は腸の脳が指示を出している。頭脳はその指示を身体に伝えるためのハブセンターの役割を担っている。そして、精神面の欲求については頭脳が指示を出している。

 「物事を考え、適切な判断をくだす人体の器官」を「脳」と定義するならば、それは複数存在する。
 そして、生命維持機能も含め、人体の「脳」の役割の大部分は『腸』が果たしているのではないか?

  もし、そうであるのなら、共生関係にある腸内細菌が大きく関与しているのは間違いないこと。微生物の歴史は『神』より古い!

「丹田」とは何だろう?

 丹田(たんでん)とは何だろう? ふと、疑問が湧きました。丹田は、気功や坐禅、腹式呼吸でも出てくる言葉で、禅にに関心のある外国人も"Dantian"、あるいは"hara"として知っている言葉です。『丹田は、内丹術で気を集めて煉ることにより霊薬の内丹を作り出すための体内の部位』(Wikipedia)なのだそうです。

 丹田は、へその下3寸、約10cm位の所にあるとされています。では、奥行きは? へそ下三寸は身体の表面の位置です。奥行き方向ではどの位置にあるのでしょうか。

 「へそと肛門とを結ぶライン上にある」とする説もあります。
 では、その位置にある臓器は何でしょうか? 「特定の臓器はない」とされています。

 特定の臓器はない? あるじゃないですか。小腸が。
 腸が脳の役割を果たしていると考えると、丹田に対する考え方も変わってくるように思います。

 丹田の位置にある臓器は小腸です。小腸の長さはいくらあるのでしょうか? 調べると6〜7メートルという答えを見つけることができますが、それは死体の小腸の長さ。生きている人間の小腸は筋肉の働きで縮んで
おり、その長さは約2〜3メートル程度なのだそうです。

 では、丹田のある位置は、小腸全体のどの場所に該当するのでしょうか。
 解剖図を見てもよく分からないのですが、大体、真ん中あたりかと思います。

ここからが本題

 このように観ていくと、小腸が脳の役割を担っており、まさに、第2の脳である、・・・と思ってしまいます。そして、そこで共生する微生物がこの第2の脳に働きかけ、人間の「心」を制御している、そのようにも思えてきます。

 大抵、「思えてくる」という所に大きな落とし穴が待ち構えています。
 自分でいうのも何ですが、「もっともらしい説」です。しかし、そこにはとても大きな間違いがあります。

 世の中には、小腸を全摘出した方もいます。上の仮説が正しければ、人は生きてはいけないはずで、ましてや、「心」などどうなってしまうのか想像もできない。しかし、小腸を全摘出しても、人格が失われてしまうわけではなく、栄養補給のために点滴が必要であるものの、生活はいたって普通のようです。[2]

 ということは、腸についての仮説は間違っている可能性が高い。


1. 「生命の暗号」、村上和雄、サンマーク出版、1997、p.19
2. 「小腸がなくても平気です!〜しょーへーのブログ〜

posted by ネコ師 at 01:08 | Comment(0) | サイエンス・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月25日

今さら人に聞けない:この1次方程式の解法で何がおかしいのか? 


 今日は、何となく不思議っぽい、数学のお話しです。

 下のような1次方程式があります。答えは何でしょうか?

   3x+3=2x+2

 この程度の式であれば、暗算で、答えは -1 と即座に計算できると思います。
 ところで、下の計算式で、何が間違っているのでしょうか。

linear_equation1.png

 通常は、下のように計算するので、-1 と算出できるのですが、上の計算では、どこが間違っているのでしょうか。管理人には、間違っている理由を説明できない! とても悲しい!
linear_equation2.png

 「1次方程式のxを求める問いなのに、xを消してしまってどうするんだ!」という答えではつまらない。そんなのは疑問に対する回答じゃない。質問の真意から逃げているだけ。

 数学(算数?)が嫌いな管理人にはさっぱり分かりません。どう説明するのでしょうか?
 数学が得意な方ならつまらない疑問なのでしょうか。


posted by ネコ師 at 06:28 | Comment(2) | サイエンス・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

どこまで進化するのか? 海水に依存しない驚きの養殖システム、好適環境水の謎


 2016年7月31日に録画した番組を観ていたら面白い内容をやっていたので紹介します。

 放送局は「TOKYO MX2」。地方局では観られないと思います。番組名は、「ギョギョ!?海を知らない魚たち 〜不思議な水が未来を変える〜」です。タイトルを見て、さかなクンが出てくるのかと思ったら全然出てこない。

 内容をザックリ言うとこんな感じ。

 真水に低濃度の「カルシウムとカリウム、ナトリウム」を加えた「好適環境水」により、水の交換なしに、海から離れた山の中でも海の魚を養殖することに成功。

 番組のHPでは、番組概要を以下のように記載しています。

放送局TOKYO MX2
放送時間2016/07/31 15:00 〜 2016/07/31 15:55(55分)
番組名 「ギョギョ!?海を知らない魚たち 〜不思議な水が未来を変える〜」
番組概要海水でも淡水でもない不思議な水、好適環境水で育った海を知らない魚たちが、あなたの未来を豊かにする…好適環境水育ちの魚って!?
番組詳細海水でも淡水でもない不思議な水こと「好適環境水」は、海に囲まれた豊富な漁業資源に恵まれた日本の漁業界に革命をもたらすかも知れない…。海水に含まれ る約60種類の成分のうち、魚に必要なのはわずか数種類のミネラルをわずかに溶かした限りなく真水に近い人工の水「好適環境水」は、岡山理科大学で開発。 同大で研究が進む陸上養殖法は、政府が成長戦略の一環として進める「パッケージ型インフラ輸出」につながる可能性を秘め、業界内はもちろんJICA国際協力 機構からも注目を浴び、タイやラオス、カンボジアのエビ養殖場での利用も視野にプロジェクトが進んでいる。およそ10年に及ぶ取材取材の集大成だ。

    Source: TOKYO MX2 ホームページ

 岡山理科大学工学部准教授の山本俊政氏が、海水に依存しない養殖システムを確立したという成功ストーリーを追った番組になっています。2011年頃から追っかけていたようです。

 この「好適環境水」に関係する技術のすごいところは、海水を使わずに海の魚を養殖する技術を確立させたこと。これまでに、トラフグ、ウナギ、マグロの養殖に成功しているそうです。そして、研究段階ではなく、出荷段階に入っていること。技術が確立されてきた証でしょう。

 さらに、「好適環境水」で育った魚は、浸透圧調節によるストレスが少ないために成長が早く、味も美味しい。加えて、養殖では不可欠な抗生物質の投入も必要なく、まさに良いことずくめの養殖技術であること。

 ミドリムシから作られるユーグレナのタンパク質(アミノ酸)、ナノバブルの技術を組み合わせれば、すごいことができそうです。宇宙船のような閉鎖環境の中で、魚を養殖しながら目的の星まで旅する。そんな時代が来るかも。

 魚の養殖技術はどこまで進化するのだろう。

 抗生剤たっぷりの環境の中で育った料亭の「生け簀(いけす)」の中の魚は、鮮度は良いけど「シャブ漬け」状態。これに対し、好適環境水で育った抗生剤を使っていない魚はやはり魅力的です。

 抗生剤の怖さは、病原菌が抗生剤が効かないようにどんどん進化し、抗生剤が効かない病原菌が増えていることにあります。抗生剤は使わないに越したことはない。いざというときに、抗生剤が効かないということは避けたい。誰でも考えることでしょう。

 山本俊政氏が所属する岡山理科大学ってどんな大学なんだろう。調べてみると、学校法人加計学園が運営しているようです。特許について検索すると、山本俊政氏名の特許11件のうち10件は、学校法人加計学園が筆頭出願人になっています。

 管理人は、特許に詳しくないのですが、「好適環境水」は特許認定されているので閲覧可能です。これで特許が通るのですから、・・・。この特許には少し問題がありそうな気がします。脇を固めないと危ない気がします。

  http://www.kake.ac.jp/patent/pdf/2010-166927.pdf

 この世の中は不思議なもので、旧帝国大学の教授が発表した説には誰も異論を唱えませんが、知名度低い大学准教授の業績には一言言いたい人が何人かいるようです。肩書きで判断してしまうからなのでしょうね。「好適環境水」の仕組みは以前から知られていたようなことを書いている人もいます。じゃあ、なぜ、先に特許を取らなかったの?

 このような状況は、科研費にも反映しているように思います。この研究は産官学一体となって推進する価値があるように思います。

 この番組の制作・著作は「KSB瀬戸内海放送」になっています。TOKYO MX2が制作した番組ではないようです。

Source YouTube, "好適環境水 誕生秘話 "、岡山理科大学

好適環境水とは、そして、それを使った養殖とは何か?

 改めて、『好適環境水』とは何かについて書きたいと思います。

 魚の浸透圧調整に関わるナトリウム、カリウム、カルシウムの3つの成分に着目し、その最適な濃度を特定。この 3成分のわずかな濃度の電解質を淡水に加えるだけの『世界一安い海水』が『好適環境水』とされています。好適環境水の価格は人工海水の10分の1で、塩分濃度が通常より低い。魚が体内で浸透圧調整をするという負担がなくなるため、魚が早く大きく育つようです。

 養殖漁業を行う上での最大の問題が病気の発生。これはどうしても避けられないものと考えられていました。近海の「生け簀」で養殖を行う場合でも病気は発生し、時には全滅してしまうことも。

 陸上の「生け簀」で養殖する場合は、大量の海水を必要とし、定期的に海水を入れ替えて、きれいな状態を保つ必要があります。ところが、そのコストは膨大なものになる。

 『好適環境水』は、自然界にある海水を必要としないため、値段が安く、さらに、病気の発生を抑えられるという大きなメリットがあります。これは、『好適環境水』の中では病原菌が増殖できないということのようです。

 この特性を活かし、陸上の生けすで、抗生物質等の薬剤を使わず養殖することが可能になりました。まさに、驚くべき技術です。

 ここでいう『技術』とは、好適環境水のことばかりを指すのではなく、養殖技術全般を指します。そもそも、陸上での海水魚の養殖は難しく、だけも手がけてこなかった、いや、手がけることさえできなかった、とても困難なものでした。

 養殖に使う海水のコストを下げ、病気の発生を防ぐことができたからといって、すべての問題が解決した分けではなく、様々な難しい問題に直面したようです。

 それを一つ一つ解決することにより、養殖魚の出荷に漕ぎつけた。驚くべきことをやっている人がいるものだと感動しました。

 観賞魚を飼っている一部の人は、好適環境水の仕組みは周知のことで驚くには値しない、と考えているようです。

 管理人がこの技術を評価する理由は、実証できたということ。ネットで目先だけのつまらないコメントを知ったか顔で書く人って、こういう仕事を一度もやったことのない人なのだろうと思います。

 アイデアだけではだめ。実証試験を行うために必要となることは山ほどあります。実証試験を行うための資金はどうするのか。施設はどう設計するのか。飼育員はどうするのか。マーケットはどうするのか。などなど。これらの課題をクリアできたからこそ養殖魚の出荷まで漕ぎつけることができた。管理人が評価するのはこの部分です。

 「そんなの知っているよ」は「できない証」。知識・情報に対する謙虚さが必要なのかも。

【出典】
 『産学官連携ジャーナル』 2013年9月号


posted by ネコ師 at 05:40 | Comment(0) | サイエンス・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月04日

台所革命機:シェフロボットが開発中らしい!


 自在に料理を作ることのできるシェフロボット「ロボット・キッチン」が開発中らしい。
 まだ発売はされていませんが、2018年に実用機の販売を開始する予定だとか。価格は850万円くらいになるそうです。

 ロボットが作れる料理メニューは2000種類以上。

 これからは一家に一台、シェフロボットの時代が来そうです。

 動画はCGで撮影されているようですが、決して未来の夢物語ではない。プロトタイプ機は国際見本市に出品されており、2016年1月に中国・上海で開催された見本市では、"Best of the Best" CES Shanghai awardを獲得したそうです。
 
YouTubeに先ほどアップロードされた動画がこちら。これはCGではない、とおもったら一部はCGですね。

   Source: YouTube, "Moley unveils World’s First Robotic Kitchen which can cook by mimicking Chef"

 視聴回数 1回目の動画を見ることができました(笑)。どこよりも最新の情報をお届けします!

Moley_Robotic.png


 白いコスチュームのコンパニオンの娘さんに目がいきがちですが、彼女は人間です。ロボットはその奧。

   Source: YouTube, "The robotic chef - Moley Robotics"

   Source: YouTube,"The Moley Robotic Kitchen - Mission & Goals"

 このロボットの実用段階では、さまざまなトラブルが起きそうです。例えば「異物混入」。ラップの取り残しや、ゴキブリなども一緒に調理してしまう。食材が一部腐っている場合、人間ならその部分だけ取り除きますが、このロボットはお構いなしに調理しそうです。

 外見は問題なくても中が腐っている場合もあります。ジャガイモやタマネギなどでたまに見かけます。この問題はどうクリアするのでしょうか。

 瓶に入れた調味料は、中身が固まることがあり、一振りで出てくる量にはばらつきがあります。計量スプーンで量るレシピにする必要がありそうです。

 何よりも問題になりそうなのが、このロボットは手を洗うのかということ。食材により、頻繁に手を洗う必要があります。その辺はどうクリアするのでしょうか。

 この手じゃ洗えそうもありませんが。マシン油(ヒマシ油)が料理に入り下痢しそう。

moley_hand.png

Source: http://www.moley.com/

 生の豚肉や鶏肉を触った手で生野菜のサラダを出されても困ります。包丁やまな板、調理器具を洗浄する手順は、料理の手順の一環。レシピを入力する段階でこの手順も入力するのでしょうが、現実には組み合わせパターンがたくさんあるので大変そう。

 手順を間違えると、ロボットが作ったためにサルモネラ菌による食中毒発生、ということにもなりかねません。料理は味だけではないので奥が深い。同時作業で複数の料理を作るのが普通だし。プログラミングが大変そう。

 ・・・と思ったのですが。よく考えると、これはイギリスの機械。イギリス料理を作るのなら簡単なプログラムでできそうです。何しろ、悪名高きイギリス料理ってこれですから。

375px-Sunday_roast_-_roast_beef_1.jpg
  Source: Wikipedia "イギリス料理"


 テレビショッピングでシェフロボットが販売される日が来るかも知れませんね。
 我が家ではとても買えませんが、世の中にはお金持ちがたくさんいるので、買いたいという人は多いと思います。家に数億円もかける人にとっては850万円など安いものでしょう。まあ、人ごとですが。

 サイクロン掃除機のダイソンに続く英国製のヒット商品になるのでしょうか。

 いずれにしても、部品は日本製のような気がします。


posted by ネコ師 at 18:38 | Comment(0) | サイエンス・テクノロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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